Geminism をクリアしました
お疲れ様です、 ganyariya です。
本日 CRAFTWORK さんから出版された「Geminism」をクリアしました。
CRAFTWORK さんといえば、「さよならを教えて」など伝説的な電波ゲーを生み出しているメーカーさんです。
さよならを教えてが世に出たのが 2001 であり、そこから 22 年ぶりに開発されたのが Geminism となります。
本作のプレイ時間はおよそ 6 ~ 8 時間ほどであり、 価格に対して少し少なめかなというボリュームでした。
しかし、その分プレイ体験が非常に濃く、とても楽しく、没入できる作品となっていました。
本記事では ganyariya がプレイした感想をまとめます。
諸注意
本記事は Geminism の重大なネタバレ(スクリーンショット)を含む可能性があります。
未プレイの方はブラウザバックしてください。
良かった点
UI / 演出
本作は非常に UI ならびに演出が凝られており、プレイしているときの没入感がすごかったです。
これまでのノベルゲームでは取られていなかったであろう新しいUI・演出が多く存在しました。
キャラの立ち絵を出すのではなく、カットイン画像を左右・上下からオーバーレイする形で描画しており、画面が大きく動き飽きづらく、かつキャラクターの感情・表現が増していました。
今後もこのキャラのカットインをオーバーレイしていく、という描画方法は他の作品にも取り入れられていくのではないかなと思いました。
自分も実装してみたい…
さよならを教えてと同様に、選択肢が特徴的なのも健在でした。
同じ選択肢が複数繰り返し出てくると「絶対にこの結末は避けられないのか…」と悲しい結末になります。
テンポの良いストーリー
本作は
- 桔梗 (淡墨)
- 深紅 (月白)
の 2 ルートに分かれています。
そして、桔梗と深紅がお互いの身体のパーツを「仕曾わせ」のなかで奪い合い、すべてのパーツを揃えることを目的とします。
1 回の仕曾わせで勝利すれば 1 つの身体を相手から奪い取ることができます。
そして、すべてを揃えて「しあわせ」になることを目指すのです。
仕曾わせを軸にストーリーが展開され、 第1回仕曾わせ, 休息(間のストーリー), 第2回仕曾わせ, 休息(間のストーリー),… のように展開が進んでいきます。
そのため、シリアス・コメディが交互に混ぜ込まれ、途中途中で重要な設定が明かされるなど、中だるみし辛い構成になっていました。
また、ストーリーもすべて重厚かつ古典も織り込まれており、非常に面白い設定・構成になっていました。
惜しかった点
ボリューム
面白すぎてぶっ通しでプレイした結果、およそ 6 ~ 8 時間ほどでクリアしました。
さぁここからアフターストーリーならびに淡墨と月白の設定が明かされるぞ…とワクワクしていたら本作が終了し解放要素が展開されてしまいました。
淡墨と月白の過去の掘り下げや、淡墨と桔梗、月白と深紅のアフターストーリーも欲しかったなぁ…とワガママな気持ちです。
しかし、本作で描きたかったこと、回収していない設定などはなにもなく、「読者に考察の余地を残している」という意味で、このボリュームでちょうどいいなぁ〜とも思っています。
結局のところ、もっと長岡先生のシナリオ読んでいたい〜、Geminism の世界観に浸っていたい〜でした。
本作のテーマ
私、不完全な双児形
桔梗と深紅はそれぞれの「しあわせ」を叶えるために、相手を気絶させる・殺すことですべての体のパーツを集めようとします。
しかし、彼女らは同じ双生児(かつ結合双生児)であり、パーツを集めるまでもなく同じ 1 つの体だったわけです。
互いに異なる性格・思想であるもののもとを正せば唯の一人、自分が勝とうが相手が勝とうが同じ身体に収まるのです。
双子だからこそ相手を思いやり、感情をぶつけ、殺し合う、究極の双子の家族愛をみたように思えます。
しあわせになること
人生とはしあわせを目指すことである、そう思いました。
考察(というか疑問点)
桔梗と深紅のどちらが姉なのか問題です。
最初の桔梗ルートでは桔梗が姉であり、深紅が妹だと思っていました。
一方で、深紅ルートにおいて深紅の過去を覗き見ると、明らかに深紅が姉であり、桔梗が妹です。
しかし、最後の最後の淡墨と月白の会話を見ると桔梗が姉であり、深紅が妹とされています。
最終的に自分の結論としてはどちらも姉であり、妹である、そのときどきによって変わるもの、と感じました。
肉体的・事実的な「姉・妹」はなく、互いの状態によって姉と妹が変わりうる、それが双生児であり双子である、です。
正解はどれなのでしょうか…
最後に
Geminism 非常に面白い作品でした。
CRAFTWORK のスタッフの方々はずっとコンテンツを作り続けて、 20 年立ってもノベルゲームの最前線で新しい作品を生み出していてすごいなぁとひしひしと思いました。
自分はエンジニアであり、今のところ「直接コンテンツを生み出している」わけではないです。
個人開発で自分のゲームを作って、 CRAFTWORK の方々のように、自分たちが表現したいものを表現したいままに作り上げるを目指していきたいなと思いました。